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2011.10.29 (Sat)

箱館の旅~碧血碑

「碧血碑」という名前を初めて知った時、この名前にこめられた思いに涙が止まらなかった。
あまりにも切なくて…
そして、この碑になんとふさわしい名前だろうと思った。

「萇弘死于蜀、藏其血三年而化為碧」(荘子)

忠義を貫いて死んだ者の血は、三年経てば碧色になるのだという。



本当に切ない名前だなぁ…


碧血碑

うっそうとした上り坂を歩く

碧血碑

碧血碑

途中で目にとまったのは、なんと牛額草だった

石田散薬の原料として知られるこの草が、碧血碑への道すがらに群生しているとは…
なんだか、もうそれだけで涙目なってしまい、目を潤ませながらひたすら坂を上った
碧血碑


まずは、柳川熊吉さんの碑に手を合わせた。

碧血碑

碧血碑

熊吉さんは、賊軍として埋葬を許されずに放置されたままの旧幕軍の遺体を命がけで埋葬してくださった方だ。

何百体もの遺体が無残に放置されて傷んでいく様は、悲惨なものだったろう…(涙)
でも、明治政府の命に背くと言うのは、まさに命がけの行為だ。
実行寺の住職と共に、遺体を実行寺に埋葬し続けた熊吉さん、
近隣の住民や熊吉さんの子分達も手伝だったそうだ。
その後、新政府軍に囚われて斬首になりそうな熊吉さんだったが、薩摩の田島圭蔵により釈放された。

この田島圭蔵という人は、高雄丸(新政府軍の軍艦)の艦長で、明治元年に箱館港で旧幕府側に拿捕され一時は投獄されたが、放免になってに青森に生還できたという経験がある。
救ってもらった命という恩義…
この田島さんもまた、恩義を忘れない侍魂のある方だったのだなぁ…


明治4年になると、熊吉さんは今の地に土地を自ら購入し、その後、明治8年に榎本さん、大鳥さんらの尽力も得て、この碧血碑が建てられたのだった。
熊吉さんは碧血碑の番人として晩年を過ごしたという。

dscn0185[1]


ここを訪れること、それはただただ鎮魂のみ
箱館戦争だけではなく、すべての戊辰戦争で命を落とした旧幕府軍全ての方々の魂の安らぎを願って手を合わせた。
碧血碑


碧血碑



碧血碑


ここを実際に訪れて感じたのは、まず独特の空気感だった。
ここだけ時が止まっているような、
まだ戊辰の時にいるような…

このまわりには21世紀の世界が広がっているのが嘘のような、
そんな空気感だった。

壁はないのだが、私には閉じられた空間に思えた。
目には見えない何かでバリアが張ってあるような…そんな空間


碧血碑の上には、突き抜けるような澄んだ青い空が広がっていた。

碧血碑



台座裏の碑文は
「明治辰巳實有此事 立石山上以表厥志 明治八年五月」
と刻まれている。

すでに旧幕軍戦没者の慰霊の許可はでてはいたが、「実に此のことあり」としか書けなかった当時のことを思い、
また「以てその志を表す」というこの短い碑文に込められた思いを察すると涙が出た…

碧血碑は、もちろん戦死した仲間たちの鎮魂のためのものなのだが、生き残って明治の世の中を生き続けた者たちにとってもまた魂に安らぎを与える存在だったのではないだろうか…

この碑を建てることに力を注ぎ、この碑で慰霊を行うことが、生き残った者たちの魂も救ったような気がする。

共に戦い、共に生きて、そして極限まで戦い抜こうとして死んでいった仲間と、今生きている自分。
生き残って明治の世の中を生きている中で、戦いの日々や死んでいった仲間たちのことを思う時、どんなに大きい心の痛みや苦しみがあっただろうか…

そう思うと、生き残った彼らにとっても、この碧血碑は、魂の安らぎを得られる唯一の場所だったのかもしれない。

命を燃やし尽くした者、命を灯し続けた者
そのどちらにとっても鎮魂の碑なのだと思う。

碧血碑」という名前にこめられた痛いほど深い思い…

そんなことを感じながら線香をあげ、手を合わせてきたのだった。




帰りの道に季節外れの紫陽花が一輪咲いていた。

DSC_0256.jpg






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